2016年7月4日月曜日

良いフライトスクールの条件はこんな感じです。

「お勧めのフライトスクールはありますか?」という質問をよくいただきます。

これにお答えするのはなかなか難しいです。 というのも、僕自身が通ったスクールは2校のみだからです。 一つはPPL訓練を受けたサスカチュワン州・サスカトゥーン市にある個人経営のスクール。 もう一つはブリティッシュコロンビア州・ビクトリア市にあるVictoria Flying Clubです。 ですから、他のスクールについてはよくわかりません。 

今のネット世代の方々だったらネットの口コミとかでスクールを選ばれたりするのかもしれませんが、僕がスクールを選んだときにはそんなものはありませんでした。 サスカトゥーンでのスクールは知人が見つけてきてくれたというだけの理由で通うことにしました。 実際に足を運んだのもサスカトゥーンに行ってからが初めてでした。 幸い、担当してくれた教官は皆さんよい人で、良い経験をさせてもらいました。 入学許可書なども郵送で送ってもらえましたし、良い印象を最初から受けました。 ビクトリアに行くことにしたときはいろいろ調べましたが、実際に下見はしていません。 バンクーバーのバウンダリーベイ空港にあるスクールには下見に行きましたが、あまり良い印象を受けなかったのでそこには行かないことにしました。 

良いスクールを見つける一番の方法は下見をすることです。 スクールの雰囲気や教官達の人柄というのはウェブサイトやネットの口コミからでは計り知ることは不可能です。 時間とお金がかかりますが、これがもっとも良い方法です。

二番目に良い方法はメールや電話で問い合わせをし、その反応を見ることです。 一旦スクールに通うことにするといろいろな面でお世話になります。 メールでの対応が遅かったり、ずさんだったり、ましてはメールに返事をくれないようなスクールでは不安が残ります。

ウェブサイトでの情報も当然ながら目を通す必要があります。 州によって税率が違いますから、訓練費用にも差が出てきます。 そういうところも考えておくと良いでしょう。 ウェブサイト上で訓練費用(1時間あたりの飛行機レンタル費や教官費)が明記されていなかったり、最後の更新が数年前だったりするようなスクールは個人的にはあまり信用しません。 日本語でウェブサイトを開設しているスクールは日本人生徒が多い証拠ですし、恐らくは日本人教官が在籍しているはずです。 そういう方にメールを送り、いろいろ質問をしてみるのも良いでしょう。 親身になって相談に乗ってくれる人もいれば、営業目的が見え見えの対応をする方も居るようです。 

そのスクールにFlight Test Examiner(実技試験の試験官)がいるかどうかも重要です。 訓練の最終段階でのフライトテストを実施できるのはTransport Canadaから任命されたFlight Test Examinerのみです。 僕がサスカトゥーンで訓練を受けたときにはスクールFlight Test Examinerが在籍していなかったため、他の都市から呼び寄せる必要がありました。 そのためフライトテストに向けた準備が終わったあともスケジュール調整が必要だったり、交通費を支払ったりしなければいけませんでした。 その点、Victoria Flying ClubにはFlight Test Examinerが数名在籍しています。 それはTransport Canadaとの太いパイプがあるという証拠でもあり、訓練の質の高さを証明するものさしと見ることも可能です。 自前で試験官を用意できるというのはスケジュールも合わせやすく、なにかと便利です。

実技試験の他に筆記試験にも合格しなければいけません。 フライトスクールの中にはPPLの筆記試験を実施することができる指定校もあります。 そうでない場合、Transport Canadaの事務所に出向き、そこで試験を受験することになります。 この事務所はそんなに数が多いわけではないので、地方で訓練を受けるとわざわざ近くの中規模都市まで出かけないといけないこともあります。 また、PPL以外の筆記試験(CPL, IFR rating等)はTransport Canada事務所で受験しなければいけませんから、やはりある程度大きな都市で訓練を受けたほうが便利なのは間違いありません。 僕が訓練を受けたビクトリアの場合、Victoria Flying Clubから歩いて1分のところにTransport Canadaのオフィスがあり、そこで試験を受験したり、ライセンスの申請をしたり、その他いろいろな手続きをすることができましたのでとても便利でした。

飛行機のメンテナンス設備はどうでしょう。 だれでもメンテナンスができるというわけではなく、これもTransport Canadaが指定するメンテナンス施設の許可を受けた場所でないと飛行機の修理やメンテナンスはできないことになっています。 これも自前でできるスクールの場合は飛行機が飛べない時間が減り、効率がよくなります。 その結果、飛行機トラブルのため訓練がキャンセルになることがなくなったり、軽度の故障であれば即座に修理をしてもらえます。 また、メンテナンスエンジニア(AME)の人たちに直接質問をしたりすることができる機会があると飛行機の知識を深めることも出来ます。 僕が通ったスクールはどちらもメンテナンス設備を有していました。

飛行機機材に関しては個人的な好みの問題だと思います。 訓練でもっともポピュラーなのはいわゆる「セスナ機」で、セスナ172と呼ばれる小型機か、セスナ152/150と呼ばれるさらに一回り小さい小型機だと思います。 このセスナ機、設計は1970年代前後という古い機体です。 もちろん、中身は新しくなっていることもありますし、無線機や計器、GPSといった機材は最新のものを搭載していることもあります。 古い飛行機ですが、それだけ訓練に最適な機体であることが証明されているともいえます。 一方、スクールによってはもっと新しい機体を揃え、それをセールスポイントにしているスクールもあります。 新しい飛行機は当然ながら飛ばしやすいでしょうし、快適だと思います。 ただ、新しい機材の場合はレンタル費用が若干割高ということもありますので、その点はチェックしておくと良いでしょう。 僕個人はセスナ機とパイパー機で訓練をやりました。 ぶっちゃけていってしまえば、「飛行機は飛行機」です。 新しかろうが古かろうが操縦技術の基礎はそんなに変わりません。 

いずれ計器飛行証明(IFR)の訓練を受けたいのであれば、その訓練も同じスクールで受けることができれば訓練はスムーズに進みますし、訓練費用の節約にも繋がると思います。 双発機の有無、フライトシミュレーターの有無も確認しておくと良いでしょう。 フライトシミュレーターは最近ではフライトスクールでもRedbird Flight Simulatorのようなフルモーションシミュレーターを保有するところも増えてきているようです。 これがあれば天候が悪い日や冬の間でも訓練をすることが可能になりますし、ずっと実機を飛ばすよりも安価で効率のよい学習が可能になります。 

スクールは学習の場であることはもちろん、社交の場でもあります。 パイロットというのはなにかとコネクション(人と人とのつながり)を大事にする職業です。 学生として訓練を受けているうちに知り合う友人が将来のパイロットポジションを獲得するためのなにかしらのきっかけになったり、情報源になったりすることも多いにありえます。 そういうことを念頭に、他の学生やパイロットライセンス保持者、飛行機所有者などとのネットワークを構築することも大事だと考えます。 そういう場を提供してくれるスクールであれば尚良いと思います。 個人経営で生徒も数人しかいないというスクールよりは、生徒が多く、卒業生のネットワークも広いスクールのほうがなにかと優位であることは間違いないでしょう。

以上、僕が考える「良いスクール」の条件をいろいろ書いてみました。 ネットを使えばいくらでもフライトスクールは見つかると思います。 「Pilot training flight school Canada」等のキーワードでGoogle検索すればたくさん情報が出てくると思います。 ネットを駆使して、まずは情報集めをすることをお勧めします。


(つづく)

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